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春遅い庄内にようやく桜の花びらが舞い散る頃、その名のとおり体を桜色に染めたサクラマスが、産卵のため最上川や赤川にのぼってきます。川で獲れたものは特に川マスと呼んで珍重され、火を通すと滴り落ちるほどに脂がのったその味は、まさに絶品。同じ頃、山では雪の合間から山菜が顔をのぞかせ始めます。次第に深まる緑のなか、名人達が競うように採ってくる新鮮な山菜は爽やかな香気に満ちて、私たちに春の到来を告げてくれます。 |
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庄内平野の北端に美しく聳える鳥海山。その降水量は世界最大級と言われています。大量の雨や雪は深い森に受けとめられ、そして地中深く滲みこみ、長い歳月を経たのちミネラルやカルシウムを含む伏流水となって、地表へそして日本海の海底へと湧き出します。そこで育つ岩ガキには、身が肥えた食味の深い逸品として定評が。畑では夏の光を受けて、だだちゃ豆や民田なす、外内島きゅうりなど珍しく美味しい在来作物が収穫の時を迎えます。 |