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2005年最も印象に残った一皿と
あるグルメライターに評された
「雪菜とイノシシのスミカ仕立て」
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その昔、上杉家が越後から持ち込んだ遠山カブ(青カブ)の とう(茎)の部分は新鮮な野菜が不足する晩秋〜冬にかけて食べられていたことから在来の長岡菜と自然交配され、それが雪菜の原型になったといわれています。
栽培方法は、8月に種をまき、11月中旬60cm〜80cm程にも成長したところで一旦収穫してしまいます。それを今度は土の上で束にして床寄せし、わらで周囲を覆います。そこに雪が降り積もり…。
雪菜は光を閉ざされ、雪の中で自分自身の外側の葉を自らの栄養源とすることによって、茎の部分(花とう)を守り育てます。雪菜自身が呼吸することにより発熱し、ワラによって適温が保たれる仕組みです。寒さに負けることなく養分をしっかり吸収した花とうは、みごとに透き通った白い姿に変身します。
主な栄養素は、カリウム・リン・ビタミンC、そして食物繊維。汗をかきにくい冬期間、体内の余分な塩分を排出し高血圧予防や免疫力アップ、風邪予防にも効果の期待できる、まさに冬の身体が必要とする野菜に成長してくれる訳です。冬を乗り切る自然のパワーがつまっている優れた野菜。それが雪菜です。
雪深い米沢の冬、なんとか栄養のある新鮮野菜を家族に食べさせたいという思いから生まれたであろう雪菜は、300年余り前から積み重ねられてきた、先人の知恵と汗の結晶。みずみずしく、美しく、そして手間のかかる野菜がいまだ作り続けられている理由は、高い栄養価だけではなく、「先人の知恵と努力の重み」に価値があるからこそ、なのではないでしょうか…。愛ですね…。
地球環境の悪化と温暖化が話題になることも多いこの頃ですが、雪の降り積もる厳しい冬があるからこそ味わえる野菜があるということも、この機会にぜひ皆様に知ってもらい、そして味わっていただきたいと思います。
※ (雪菜は平成17年・スローフード協会<本部イタリア>の後世に残したい守るべき伝統食品“味の箱舟”に認定されています)
調理方法は、生でも火を通してもOKです。甘みと苦味・辛味が楽しめます。他の野菜と同じように、サラダやお味噌汁などお気軽にお使いください。 |