
奥田政行 著
定価:本体1,540円(税込)
新潮社 |
「日本を元気にしたい」───。
そんな途方もないことを私が思い始めたのは、2005年のことでした。まだ、自分の店「アル・ケッチァーノ」の足下すらおぼつかない中で、なぜ私がそんなことを思ったのか、いまから思うとなんとも不思議ですが、とにかく、私はそんな大義を真剣に唱えていたのです。
21世紀に入ってからというもの、私は山形県の庄内の地から、ずっと「地方の幸福とは何か」を考えていたように思います。
もちろん、料理人である私の考えは、「食」が軸となります。「食」によって、地方はどう元気になるか、どうしたら幸福感を味わえるようになるか、そればかりを考えてきました。
(本書プロローグより抜粋)
1994年11月末、東京での7年間の修行を終えて帰ってきた24歳の奥田には、庄内・鶴岡を元気にしたいという強い思いがありました。その信念は6年後の「アル・ケッチァーノ」オープンを経てから今も変わりはなく、さらに大きな視点で「日本を元気にしたい」という思いに変わりました。
料理人としての経験や、日本と世界の各地から招かれ訪れた経験などを通じて、奥田が考える地方再生のヒントを綴っています。
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