
川野達子著 仙台闊歩新書
定価:本体1,320円(税込)
プレスアート |
「スペインに行った目的は『つや姫』を宣伝するためでした。そのために一所懸命フライパンを振りながら、すごく楽しい気持ちになっていました。そして気づいたんです。自分には料理がある。料理こそ、自分が生きていること実感できる最良の手段だと。そう感じた瞬間、それまで抱いていたモヤモヤしたものも、先行きへの不安も、一気に消えていってしまいました。完全に吹っ切れました。回復しました」
奥田は宣言した。
回復という言葉の意味を、すぐには理解できなかった。その真意を知らされたのは、奥田がスペインから戻って半年ほど過ぎたころだった。
奥田と出会ってから、想定外の六年が過ぎた。
怒濤の歳月だった。
(本書序章から抜粋)
厳選された質の高い情報を掲載し、東北に住む大人たちから支持を得ている「Kappo 仙台闊歩」で2年にわたり掲載された人気連載が1冊の本にまとまりました。
山形に対する熱い想い、料理に懸ける情熱。そして、周囲からの期待と批判。苦しみながらも前へ進む、シェフ奥田政行の姿が描かれています。
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